【Kotlin練習問題】forループのためのイテレーターの実装
イテレーター(iterator)とは
イテレーターとはforループが動作するために必要な概念で、イテレーターが実装されていないオブジェクトではforループを使うことができません。
具体的にはイテレーターとは次の要素を返すnext()メソッドと次の要素が存在するかを確かめるhasNext()メソッドに分解することができます。これらを実装することで、forループがいつまで繰り返されるべきなのかを知ることができるのです。
Kotlinにおけるfor構文は以下のようになります。
for (item in collection) print(item)
for (i in 1..3) {
println(i) //1,2,3
}
上の1,2,3が出力されるforループでは、1..3というIntの値の範囲を指定するIntRange型にイテレーターが実装されているため、1の次には2があり、2の次には3があり、3の次には値がないといった判断をコンピューターができるのです。
従って、独自に作ったクラスでforループを使いたい場合、自身でイテレーターを実装する必要があります。
問題
以下のDateRangeクラスにIterable<MyDate>を実装し、繰り返し処理ができるようにしてください。
なお、DateUtil.ktファイルに既にMyDate.followingDate()という関数が定義されているので、次の日を見つけるロジックを自身で実装する必要はありません。
DateUtil.ktとMyDate.ktは下にあります。
class DateRange(val start: MyDate, val end: MyDate) //ここにIterable<MYDate>を実装する
fun iterateOverDateRange(firstDate: MyDate, secondDate: MyDate, handler: (MyDate) -> Unit) {
for (date in firstDate..secondDate) {
handler(date)
}
}
DateUtil.kt
import java.uti.Calendar
fun MyDate.folowwingDate(): MyDate {
val c = Calendar.getInstance()
c.set(year, month, dayOfMonth)
val millisecondsInADay = 24 * 60 * 60 * 1000L
val timeInMillis = c.timeInMillis + millisecondsInADay
val resuly = Calendar.getInstance()
result.timeInMillis = timeInMillis
return MyDate(result.get(Calendar.YEAR), result.get(Calendar.MONTH), result.get(Calendar.DATE))
}
MyDate.kt
data class MyDate(val year: Int, val month: Int, val dayOfMonth: Int) : Comparable<MyDate> {
override fun compareTo(other: MyDate): Int {
if (year != other.year) return year - other.year
if (month != other.month) return month - other.month
return dayOfMonth - other.dayOfMonth
}
}
operator fun MyDate.rangeTo(other: MyDate) = DateRange(this, other)
[expander_maker id=”1″ more=”ヒント” less=”非表示”]
ヒント
イテレーターを実装するクラスはIterable<T>を継承している必要があります。
今回の場合、TはMyDateになるので、
class DateRange(val start: MyDate, val end: MyDate) : Iterable<MyDate>のようになります。
イテレーターを実装するには、クラスの中でIterator<MyDate>を返すiterator()関数をオーバーライドし、その関数内で次の値を返すnext()と、次の値の有無をチェックするhasNext()を実装します。
next()内では、次の値がある場合には次の値を返し、ない場合には例外を投げるようにしましょう。
[/expander_maker] [expander_maker id=”1″ more=”答え” less=”非表示”]答え
class DateRange(val start: MyDate, val end: MyDate) : Iterable<MyDate> {
override fun iterator(): Iterator<MyDate> {
return object : Iterator<MyDate> {
var current: MyDate = start
override fun next(): MyDate {
if (!hasNext()) throw NoSuchElementException()
val result = current
current = current.followingDate()
return result
}
override fun hasNext(): Boolean = current <= end
}
}
}
fun iterateOverDateRange(firstDate: MyDate, secondDate: MyDate, handler: (MyDate) -> Unit) {
for (date in firstDate..secondDate) {
handler(date)
}
}
[解説]
DateRangeというIterable<MyDate>を継承したクラスでMyDateのイテレーターを実装しています。
iterator()関数では範囲内最初の日付であるstartをcurrentに代入し、next()内で次の日付があればcurrentに代入しています。次の日付の取得には既に定義されたfollowingDate()関数を使用しています。
hasNext()ではcurrentがendを超えた場合にfalseを返すように設定されているので、next()が繰り返し使用され、currentの値がendを超えた時にfalseになります。
イテレーターの実装は次の値を取得するnext()と次の値があるかを確かめるhasNext()の実装と考えましょう。
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