【Kotlin練習問題】拡張関数

Kotlin

拡張関数とは(extension function)

拡張関数とは特定の型に独自の関数を追加できる機能です。

拡張関数を宣言するには、関数を追加したい型のあとに .関数名(パラメーター) の形で拡張関数を追加します。例えば、以下はMutableList<Int>という型にswapというリストの中身を入れ替える拡張関数を追加するコードです。ちなみに拡張関数が追加される型(MutableList<Int>)のことをレシーバー型を呼びます。

fun MutableList<Int>.swap(index1: Int, index2: Int) {
    val tmp = this[index1] // thisはリストに対応しています。
    this[index1] = this[index2]
    this[index2] = tmp
}

拡張関数内のthisというキーワードはレシーバーオブジェクト(ドットの前で実際に渡されるレシーバー型のオブジェクト)に対応します。これでどのMutableList<Int>上でもswapという関数が呼び出せるようになりました。

val list = mutableListOf(1, 2, 3)
list.swap(0, 2) 

さらに以下のようにMutableListの中身の型を<T>にすれば、どのMutableListに対してもswapを使えるようにできます。Tのことをジェネリック型と呼びます。

fun <T> MutableList<T>.swap(index1: Int, index2: Int) {
    val tmp = this[index1] // 'this' corresponds to the list
    this[index1] = this[index2]
    this[index2] = tmp
}

レシーバー型の式の中でジェネリック型を使えるようにするために、関数名の一番最初でもジェネリック型パラメーターを宣言します。

問題

次のコード中の拡張関数 Int.r()とPair.r()を実装し、IntとPairをデータクラスであるRationalNumber型に変換できるようにしてください。Pairはスタンダードライブラリに定義されているクラスです。ちなみにRationalNumberとは日本語で有理数を意味します。二つの整数を用いて分数で表せる数のことですね。

Pair:

data class Pair<out A, out B>(
    val first: A,
    val second: B
)

問題コード:

fun Int.r(): RationalNumber = TODO()

fun Pair<Int, Int>.r(): RationalNumber = TODO()

data class RationalNumber(val numerator: Int, val denominator: Int) //numerator:分子 denominator:分母

Kotlin Playgroundでコードの編集・動作確認ができます。

ヒント

Int.r()ではRationalNumberのコンストラクタのnumeratorにはレシーバーオブジェクトを、denominatorには1を渡します。

Pair.r()ではnumeratorにはfirst、denominatorにはsecondを渡します。

ヒント

答え

fun Int.r(): RationalNumber = RationalNumber(this, 1)

fun Pair<Int, Int>.r(): RationalNumber = RationalNumber(first, second)

data class RationalNumber(val numerator: Int, val denominator: Int)

[解説]

Int.r()のRationalNumber(this, 1)で、thisはレシーバーオブジェクトを意味します。たとえば、
4.r()とした場合、RationalNumber(4, 1)となります。

Pairクラスではパラメーターの最初に渡されたIntをfirst、二つ目をsecondとしているので、RationalNumber型に変換される際にはfirstがnumerator(分子)、secondがdenominator(分母)になります。

答え

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コードラボJP

大学卒業後SEに就職、現在は退職しフリーランスとして活動中。
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