【Kotlin練習問題】invoke()の実装

invoke()とは

invoke()は演算子のオーバーロードで説明した演算子と同じように、演算子の一つという扱いがなされている関数です。どのクラスに対しても実装することができ、instance()のようにインスタンスのあとに()を付けるだけで呼び出すことが可能になります。

instance()はコンパイラにはinstance.invoke()と解釈されます。

もちろん引数をつけたり、戻り値を設定して実装することも可能です。
以下に簡単な実装例を載せておきます。

引数無し、戻り値無しの場合

class HelloWorld {
    operator fun invoke() {
        print("Hello World!")
    }
}
val helloWorld = HelloWorld()
helloWorld()              //"Hello World!"が出力されます。

引数有り、戻り値無しの場合

class HelloName {
    operator fun invoke(name: String){
        print("Hello " + name)
    }
}
val helloName = HelloName()
helloName("Takashi")        //"Hello Takashi"が出力されます。

引数無し、戻り値有りの場合

class InvokeCount {
    var count: Int = 0
    operator fun invoke(): Int {
        count++
        return count
    }
}
val invokeCount = InvokeCount()
print(invokeCount()) // 1
print(invokeCount()) // 2

どのクラスに対しても実装することができますが、乱用するとかえってコードが読みづらくなる可能性があるので注意しましょう。

問題

次のコードにInvokable.invoke()を実装し、呼び出された回数をカウントする機能を追加してください。

class Invokable {
    var numberOfInvocations: Int = 0
        private set

    operator fun invoke(): Invokable {
        TODO()
    }
}

fun invokeTwice(invokable: Invokable) = invokable()()
[expander_maker id=”1″ more=”答え” less=”非表示”]

答え

class Invokable {
    var numberOfInvocations: Int = 0
        private set

    operator fun invoke(): Invokable {
        numberOfInvocations++
        return this
    }
}

fun invokeTwice(invokable: Invokable) = invokable()()

[解説]

今回のinvoke()では戻り値にInvokable型を指定しているので、invoke()を呼び出したインスタンスをそのまま返すようにしています。

()は演算子の一つという扱いですので、invokable()()のように連続で使うこともできます。

動作確認したい場合は以下をKotlin Playgroundで試してみると良いでしょう。

fun main(){    
    class Invokable {
        var numberOfInvocations: Int = 0
        private set

        operator fun invoke(): Invokable {
            numberOfInvocations++
            return this
        }
    }
    fun invokeTwice(invokable: Invokable) = invokable()()
    val invokable = Invokable()
    invokeTwice(invokable)
    invokable()
    print(invokable.numberOfInvocations)
}
[/expander_maker]

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