【FX自動売買】EA入門 自分のトレード戦略をEAに実装する【MT4】

これまでEAにトレードを行わせるために必要な関数について解説してきました。今回はそれらを実際にどうやってあなたの取引戦略に活用していくかについて説明します。以下のシリーズ記事を順番に読んでいくと、より理解できるようになっています。

はじめに

FX市場において取引を行うということは、常に自分の資産がリスクに晒されていることを意味します。
もちろん、相応の見返りを得られる可能性もありますが、それでは単なるギャンブルと変わりません。

FXがギャンブルと大きく異なる点はリスク管理をしっかり行うことで、長期的にみて堅実な利益を得ることができるという点です。ある調査によればプロのトレーダーは年間で平均7%の利益を得ているそうです。厳しいことを言いますが、この値が小さいと思った方はFXに向いていないかもしれません。

たしかに短期でそれ以上に勝つことは意外と簡単に達成できるかもしれません。しかしそれは偶然の産物であり、再現性に乏しいため、これに味を占めた方は長期的には資産を減らしていくことが容易に想像できます。

リスク管理をしっかり行うというのは、自分の資産に合ったトレード手法、ルールを事前に決め、それを徹底して継続することを意味します。そこに人間の感情は邪魔な要素になってくるため、EAにあなたの戦略を自動化させるのです。

それでは次のステップで、これまで解説した関数を使ってあなたのトレード戦略をEAに実装する手順を解説していきます。

トレード戦略を考える手順

考えたトレード戦略が利益を生み出すかは何回もテストを行って検証する必要があります。以下ではこれまでの関数を活用してトレード戦略を検証・実装する手順を紹介します。

  1. まずはじめにエントリーシグナル(買い・売りでエントリーするタイミング)を見つける必要があります。これは以下の記事で紹介したEntrySignal()関数に変更を加えることで、あなたにとってのエントリーシグナルを見つけ、注文を出すことができます。

   次にCandleClose()関数を使って指定した本数のローソク足が完成した後にトレードをクロー
   ズするように設定してみましょう。順番に5本、10本、20本後でクローズするようにテストし、
   どのときに一番利益が出るか確かめてみてください。このときにUseStopLoss、UseTakeProfit
   UseBreakEvenはfalseにしておきましょう。

  1. 様々な期間でテストを行うようにしてください。また上昇トレンドにある期間や下降トレンドにある期間、レンジ状態にある期間なども含んでいることを確認してください。
    異なる通貨ペア・時間軸で同じEAを動かすことで、どれが最も適しているかがわかります。
    またロング(買い)エントリーとショート(売り)エントリーの戦略が同じである必要性は全くありません。上昇トレンドと下降トレンドでは動きが大きく異なることも珍しくないので、戦略もそれぞれ変わってくることがよくあります。
     
  2. どの時間軸・通貨ペアがあなたの取引戦略にとってベストかがわかったら、次は別のクローズ(決済)手法も試してみましょう。先ほどまでは単純に指定したローソク足の数のあとでクローズさせていましたが、ストップロスや利確ポイント、トレーリングストップなどを使ってクローズさせたほうがいい場合もあります。BreakEven()関数も試してみるといいでしょう。

  1. 安定して利益が出せる戦略を生み出すためには取引戦略の数値を変えながら、様々な時間軸・通貨ペアで検証する必要があります。トレンド状態では利益を生み出すことができるEAもレンジ状態にあるマーケットで大損失を出すようでは意味がありません。様々なマーケットに対応できる戦略を見つけましょう。レンジ状態では全く取引させないようにするなどというのも一つの手です。
     
  2. まだ最大ドローダウン(一時的に最大資産がどれくらい減ったかを表す値:50%であれば資産が半分になったことを意味する)も考慮しましょう。この値が高すぎると実際の運用では使い物にならないかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

マーケットは常に変動するものなので、いつでも確実に利益をだす戦略というのはありえません。それでも長期的にみれば高い割合で利益を得られる戦略を見つけることは可能です。

そのためには様々な戦略を様々な通貨ペア・時間軸上で検証する必要があります。ぜひパラメーターを細かく調整しながら、あなたにとってベストなEAを開発してみてください。

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